メインPCに Ryzen9 5900X & Radeon RX 6800 XT を導入してゲーミングPC化してみた
2023年年明け早々に近所のPCショップでRyzen9 5900Xがネット上最安値を切る超お年玉価格で入手できたので、現在Ryzen7 3700Xで運用しているメインPCに5900Xを導入し、その上さらにグラボまで新調してメインPCをゲーミングPC化してみた。
メインPCをゲーミングPC化する計画は元々あったものの実行に移すのは今年の夏のボーナスあたりか……などと考えていたが、まさかこのタイミングで5900Xが43,000円を切る価格で入手できるとは思っておらず、ふと気付いたら新年早々突発的に散財した形になってしまった(笑)
とは言え、概ねどのパーツも最安値近くで入手できたので後悔は無い。後悔は……
ちなみにメインPCのゲーミング化計画の発端は、言わずもがなPS5の入手性の低さに嫌気が差して。この期に及んでろくに転売対策もせずに何年も何年も抽選販売ばかりとか、ソニーは完全に販売戦略の舵取りミスった印象が強い。
幸いというかソフトメーカー側もそれは認識しているようで現在PS5専用というソフトは少なく、PCや旧機であるPS4でもプレイできるものが多い。少なくとも自分がやりたいゲームはどれもPCや他ゲーム機でもプレイできるものばかりだったことも、PS5……というかソニーを捨ててPCに移行した理由になる。
メインPCゲーミング化のために新規購入したパーツ類
今回のメインPCゲーミング化のために新規購入したパーツ類は以下の通り。
CPU:Ryzen9 5900X
まずは今回のメインPC刷新&サブPC新規組み上げの発端となった、Ryzen9 5900X。
世代は第4世代となり、現在メインPCで使用している3700Xの第3世代より上、現行最新の第5世代Ryzenの前世代となるが、第4世代の中では5950Xに次ぐハイエンドCPUなので、自分これまでの用途、そしてゲーミングPC用としては十分過ぎるぐらいにハイスペックなので特に問題無い。
キャッシュ:L2:6MB、L3:64MB コア数:12コア/24スレッド TDP:105W
問題無いどころか、第5世代Ryzenが昨年発売されたことで価格下落が起きた上、その中でも最安値レベルで購入できたのはむしろ幸運なレベル。
一応第5世代Ryzenでの新PC組み上げも考えてはいたが、第5世代はソケット形状がAM4から現行のAM5に変更となりマザーボードをはじめとする各種パーツの買い換えが強制になってしまうため、第5世代の導入は今回は除外した。
グラフィックボード:MSI Radeon RX 6800 XT GAMING Z TRIO 16G
今回の新規パーツ選定で一番悩んだのが、メインPCのゲーミング化において最も重要な中核を成すこのグラフィックボード。取り敢えず直近で最もプレイしたいゲームの必要スペックを十分に満たし、かつそれを元に将来的にプレイしたいゲームの必要スペックも満たせるように性能的に余裕のあるものを比較選定した結果、
最終的に選んだのがこのMSI Radeon RX 6800 XT GAMING Z TRIO 16G。ここ最近落ち着いてきた仮想通貨ブームのおかげでようやく現実的な価格で購入できるようになったグラフィックボードだが、それでもそれなりの性能を持つものは平均10万~20万円台、ハイエンドともなると30万円越えも当たり前とまだまだ高価なパーツのため、選定には本当に比較に比較を重ねまくった。
プレイ予定のゲームは幸いにもハイエンドグラボを必要とするものはほぼなく、直近ではバイオハザードRE:4、将来的にはFFⅦリメイクの続編などになるため、それらの推測推奨スペックを(多分)満たし、かつ価格が10万円前後の条件で選定したのがRadeon RX 6800 XTとなった。
コアクロック:Boost: Up to 2310 MHz / Game: Up to 2065 MHz
メモリ:16GB GDDR6 メモリバス:256-bit 消費電力:300W
映像出力端子:DisplayPort×3(v1.4)・HDMI×1(v2.1)
ちなみにゲーミングPC用としては基本中の基本となるnVIDIAのGeForceシリーズではなくAMDのRadeonシリーズを選んだ理由は、やはりCPUがAMDのRyzenだったというのが一番大きい。
RyzenとRadeonの組合せだと「AMD Smart Access Memory」というCPUからGPUへのアクセスを高速化することでゲーミング性能を10%~15%程度向上させることが可能という機能を使用できることも魅力だったが、それ以上に「やっぱRyzenにはRadeonだろ!」というのがやはり最大の理由となる(笑)
実際、現在のメインPCの組合せもRyzen7 3700X+Radeon RX570だしね…
ただ、MSIのRadeon RX 6800 XT GAMINGシリーズにはいくつかのバリエーションがあり、そこでひとつ見落としがあったためグラボ搭載時に少しばかり焦ることに。それは、
補助電源がまさかの8ピン×3仕様。
MSIのGAMINGシリーズグラボには、今回購入した「GAMING Z TRIO」と私が当初調べていた「GAMING X TRIO」が存在し、GAMING X TRIOの方の補助電源は8ピン×2仕様。
幸いにも使用予定の電源ユニットは8ピン×3仕様に対応可能だったので事なきを得たが、「GAMING X TRIOが8ピン×2仕様仕様ならGAMING Z TRIOも一緒だろ」とよく調べずに購入してしまったのには反省。基本性能部分しか見ていなかった……
PCファン:SCYTHE KAZE FLEXⅡ 120 PWM KFS1225FD20-P
サイズの定番PCファン、KAZE FLEX の新型ファン。PCケース用としてではなく、現在使用しているCPUクーラー「風魔Ⅱ」の増設用ファンとして購入。
ファン回転数:300±200~2000rpm±10% 風量:16.90.~90.28CFM
風魔Ⅱはファン増設用のワイヤークリップが付属しており、標準ではツインファン仕様だが適合するファンを別途購入することでトリプルファン仕様に変更することが可能。
トリプルファン化の理由としては、使用CPUがRyzen7 3700XからRyzen9 5900Xへと、単なる一世代上だけで無くグレードもミドルからハイグレードに移行するにあたり、TDP(消費電力)も65Wから105wへと大幅に増加してしまったため、それに応じて発熱量も増加することを見越して。
一応事前調査で「風魔Ⅱ」はTDP:105Wにも対応できる性能があるとは確認済みだが、念には念を入れて取り敢えずはファン増設で対応することにした。もしこれで駄目なら次はハイグレードのCPUファン導入か、あるいは簡易水冷か……
メインPCゲーミング化のために流用したパーツ類
基本的には現在のメインPC環境のCPUとグラボを交換したのみなので、その他のパーツはOSも含めてほぼ現行のまま流用という形になったが、唯一電源ユニットだけがちょっと変則的な流用となった。
電源ユニット:CORSAIR RM850-2019- 850W 80PLUS GOLD
実はこれは現在のメインPCを組む際に導入した電源ユニットだったが、使用後数ヶ月で初期不良と思われる不具合で機能しなくなり、その後代理店経由で返品・新品交換で対応してもらったものとなる。
しかし新品交換までに結構な日数がかかることもあり、その間メインPCは新たに購入した別の電源ユニットで稼働。その後数ヶ月経てRM850が戻ってきたが、現在問題無く稼働しているメインPCをバラしてまで電源ユニットを交換する気力は起きず、結局死蔵したままになっていたものを、この機会に再導入したのいうのが経緯となる。
よって流用品ではあるが、モノとしては未使用の新品。ちなみに取り外した電源ユニットはこのままサブPCの方に自家ドミノ移植する予定。
メインPCに新CPU&新グラボ&電源ユニット移植開始
それでは早速メインPCに新規購入したCPUとグラボ、そして死蔵していた電源ユニットを移植開始。
まずは現在のパーツの取り外し。そしていきなりのふたつの誤算
現メインPCの内部。HDDやらM.2 SSD冷却用のファンなど、とにかく所狭しとギッチリ状態。見るからにエアフロー悪そうだが、使用しているCPUがTDP:65WのRyzen7 3700Xなので、夏場でもエアコン併用すればエンコード中でも平均50℃行かないぐらいに優秀。
唯一の難点はM.2 SSDがグラボの直下にあるため発熱の影響を受け夏場では60度近い温度になることもあったが、これも直接風が当たるように冷却用のファンを2基設置することで平均温度45℃前後に落ち着かせてクリア。
そんなM.2 SSDの救世主でもある増設した冷却ファンだが、新グラボを導入するにあたりサイズの関係上取り外さなければならないハメに。
ギリいけると思ったんだが……駄目だったか……
……で、もうひとつの誤算も新グラボ関係で、新グラボ導入のためにはHDD搭載用のシャドウベイを外さなければならないことに。
冷却ファンの方はまだしも、HDDを搭載しているシャドウベイの撤去は運用上かなりの死活問題。これについては後日金の力で強引に解決するハメに……また余計な出費が……
まぁ駄目なものは仕方が無いので、問題は後で考えるとして作業続行。
CPU交換のためには必須となるCPUクーラー「風魔Ⅱ」の取り外し。こいつには後ほどファンをひとつ増設する必要もあるし、マザーボード上のCPU用電源コネクタにアクセスするためにも撤去は必須。
CPU用電源コネクタの位置さえもう少しどうにかしてくれれば、もっと使い勝手よくなるんだが……どうだろうかね……
CPUクーラー取り外し=CPUグリスの塗り直し必須なので、こちらも予め用意しておく。このPCを最初に組んだ際は「再利用OK」を謳う熱伝導シートを使用していたが、使用した結果全然再利用OKじゃなかったので、今回も大人しくグリスを使用することに。
現在使用中の玄人志向の750W電源ユニットも取り外し、コルセアの850W電源ユニットRM850に交換。初期不良を起こしたRM850の代わりとして急遽用意したものだが、安価にも関わらず数年間安定動作し続けてくれた優秀な電源ユニット。
ここまで来たらついでに外せるモノは一旦全部外し、綺麗に掃除することに。予想はしていたけど埃が酷い……
取り敢えず交換予定パーツ類を外す前に、まずはHDDシャドウベイ部分のみを外してサッと掃除。こういう機会でも無い限りなかなか掃除しないからね……
掃除が終わったら、電源ユニットとグラボ、そして最後にCPUクーラーを取り外し、いよいよパーツ交換開始。
CPUをRyzen7 3700X から Ryzen9 5900X に換装
まずはPCの心臓部にて今回のメイン、CPUの交換から。
AMDのCPUに付きものの恐怖、グリス固着による影響でCPUクーラーごとCPUが力ずくで外れてしまう通称「スッポン」を警戒していたが、使用していたグリスが比較的柔らかめのクマグリスなこともあってか、CPUクーラーは割とすんなり外れてくれてひと安心。
CPUの周囲を見るとCPUの外殻の外にまではみ出たグリスが固まっているのを確認。実はCPUグリス塗布は前回が初めてだったため、さじ加減が分からずかなり多めに盛ってしまっていた模様。
幸いにもクマグリスは非導電性のグリスのため、マザーボード側に少しばかりはみ出てもショートの危険性は無かった……が、今回からはもう少し塗布する量には気をつけようかと。
しかしながらCPUクーラーとの接触面を見る限り、グリスはCPUの表面全体には綺麗に行き届いていたみたいなので、一応上手く塗布できてはいたっぽい。良かった……
周囲のグリスを清掃してから、旧CPUを外す。
方向を間違えないように、新CPUのRyzen9 5900Xをソケットに装着。
CPUにグリスを塗布し、CPUクーラーを再度装着したら完了。ちなみに使用したグリスは前回同様クマグリスで、CPUクーラーには3つめのファンをクーラー最後部に増設してトリプルファン仕様に。
これによりCPUクーラーの冷却性能が果たしてTDP:105Wの5900Xに追いつくかどうかは追々検証するとして、見た感じはかなりゴツくさらにマテリアル感が出て良い感じに(笑)
電源ユニット交換&各コネクタに再接続
CPU換装よりは気を遣わないものの、今回の作業で最も面倒だったのがこの電源ユニット換装作業。
何せマザーボードやグラボからコネクタを外す際も、数が多い上に結構カッチリと接続されているためそこそこ苦労したが、新たに再接続する際はそれ以上に手間がかかった。
一番最初に使用していた電源ユニットでもあったRM850は、初めての自作PC用として十二分な電源容量の余裕を持たせた上で選定した電源ユニットなので、RX 6800 XTを含めた今回の構成でも十分に機能してくれるのは既にリサーチ済み。前述のグラボの8ピン×3仕様にも問題無く対応しているので、本当にホッとした……
RM850はフルプラグイン式なので、幅も長さも大型のグラボを搭載するためにHDD類をゴッソリと取り払った今回の構成では、前回の構成よりも使用するケーブル類がグッと減ってよりスマートかつシンプルな配線環境になったのはある意味嬉しい誤算だった。
さらに嬉しい予定外として、前回の構成ではSSD用ファン搭載のために泣く泣く取り外さざるを得なかった電源ユニット用のセパレーターが、今回再び使用できるようになったこと。これで電源ユニットからの放熱の影響を抑えつつ見た目スマートに。
まぁこれは今後再度SSD用ファンを搭載するかどうかで、使用するかどうか変わってくると思うが……
もうひとつのメイン、グラフィックボードの交換
最後は今回のもうひとつのメイン、グラフィックボードの換装。
現在使用中のグラボはMSIのRadeon RX 570 ARMOR 8G。組んだ当時はPCでガッツリとゲームをするつもりもなかったので、1万~2万円前後でそこそこの性能のものであればOKという感じで選んだグラボだったが、それでも性能も使い勝手も良くこれまで何の不満も無くしっかりと働いてくれた。
しかしながらさすがに結構前の世代のGPUなので、これからプレイを考えているゲームに対してはどうしても性能不足となっているため、今回は残念ながらメインPC用GPUからは降格となったが、この後CPUと共にサブPC用として移植することに。
MSI Radeon RX 6800 XT GAMING Z TRIO 16Gを装着。特に意識したわけでは無いが、よく考えたら新旧共にMSIだった(笑)
各種基本性能はもちろん、メモリもプレイしたいゲームに合わせて12GB以上のものをチョイス。結果として想像以上のデカさと重量になって、予定外のHDD用シャドウベイ撤去になってしまった……
8ピン×3仕様の電源コネクタ。最初見た時「!?」となった(笑)
CPU・電源ユニット・グラフィックボードの交換完了。グラボがかなり大型化したものの、その代償としてシャドウベイをゴッソリと取り除いたので、結果的にかなりシンプルな見た目と快適なエアフロー環境を手に入れたことに。
メインPCのアップグレード完了。お次はサブPCの新規構築
メインPCのアップグレードは無事完了。交換したのはCPU・電源ユニット・グラフィックボードだけなので、CPU交換に少し手間取った程度で作業全体としては1時間程度で終了した。
ガラスパネルを閉じて、PCケースを定位置へ。今回は事前の通電チェックをしていないので、ここで始めての電源スイッチオン。
通電チェックOK。念のためマザーボードの設定を再度見直した後、OSの起動も無事確認完了。元々ゲーミングPC化は想定していなかったが、気がついたら所々ピカピカ光る立派なゲーミング仕様になってしまった……
具体的な各種性能チェックは後日として、次はついに今回の交換でメインPCより取り外したパーツ類と新規購入したパーツ類を使用してサブPCを構築していく、実質的な人生2度目の自作PCに挑戦となる。
これまでのサブPCは古くなったPCを新PCに買い換えることで発生していた、あくまでも「万が一の事態に備えての予備」という完全な型落ち中古品だった
しかし今回は明確な理由と必要性を持たせた上で新規購入のパーツも組み合わせて構築する、ある意味「もうひとつのメインPC」としての立ち位置とするため、予算は抑えつつもそれなりのこだわりを詰め込んだPCにする予定。
結果として予定外にコストがかさむ結果となってしまったが、色々初めてづくしの経験になったのでまぁ良しとしようかと。
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