Thunderbird を Ver.60 系統 にアップグレードしたら頻繁に落ちまくる件について
先日 Thunderbird を Ver.52 系統 から、Firefox Quantum と同様の「Photon デザイン」を採用した Ver.60 系統へアップグレードしたら、題記の通り頻繁に落ちまくる現象に見舞われてしまい、何の解決も見いだせないまま起動 → 即落ちを繰り返す Thunderbird を使わざるを得ない状況に現在ストレスマッハ状態。
一体何の罠だよコレ。
多少不安定な程度なら我慢して使うことも不可能ではないが、しかしながらこの現状は正直そんな微笑ましいレベルではないほど酷い状態。
その後も細かいバグに対応したというマイナーアップデートがいくつかあったので一縷の望みにかけてみたが、結果としては何も変わらず。どうしろってんだ一体……
とは言えいくら嘆こうが現状が変わるわけでもないので、取り合えず最悪としてメールソフトを Thunderbird から乗り換えることも視野に入れて、対策を考えていこうかと。
対策その1:非対応となったアドオン類をアンストールする
今回の Ver.60 へのメジャーアップデートは Firefox Quantum へのアップデートと同様、従来のバージョンとは基本別モノへの進化となるため、非対応となり無効化されたアドオン類が大量に湧いて出た。
ならばこの無効化されつつも未だに Thunderbird 内に残り続けているアドオン類が原因で何かしらの不具合を起こし、致命的な不安定さに繋がっているのではと推測。
そこでまずは初手にして大本命となる、「非対応アドオン類のアンストール」を敢行。
……が、結果は一切効果なし。
いきなり大本命の対策法が頓挫したことで、初手にしてあっさり手詰まり状態に。まぁ元々アドオンはほとんど入れていなかったので、あまり影響はないだろうとは思ってはいたが……
対策その2:不要なメールの削除とフォルダの最適化、そしてキャッシュの削除を行う
可能性は低いが、これまでに溜まりに溜まったメール類が容量を圧迫し、その結果動作が不安定になっているかもしれないので、迷惑メールを含む不要なメール類を徹底的に洗い出し削除した後フォルダの最適化を行い、メール容量の削減を試みる。
またその後、ついでにキャッシュの削除も実行。しかしながら不要な古いメールの削除は自動設定で毎回行ってるし、キャッシュの削除も CCleaner で毎月の定期バックアップごとに欠かさず行っているので、有効性は薄いとは思うが……
……で、結果は予想通り効果なく、動作の改善には繋がらず。
対策その3:Thunderbird 64bit の再インストールを試みる
結論から言うと、一度現在使用中の Thunderbird(32bit Ver)をアンインストールし、その後Thunderbird 64bit 版をインストールすることで 問題は完全に解決した。
再インストール実行までの経緯は以下の通り。
Ver.52 から Ver.60 系統への上書きアップデートは不具合を来す可能性があることを発見
今回の Thunderbird の不具合について色々と調べているうちに、従来の Ver.52 系統から内部構造が別物となった Ver.60 系統へ上書きアップデートすると不具合を来す可能性があるとの記事を目にした。
元々 Ver.52 から Ver.60 への自動更新には対応しておらず、手動更新でのみアップデート可能だったが、その後のマイナーアップデートで自動更新が可能になったため今回アップデートを試みたわけだが、もしかしたらまだ上書きでのアップデートには何かしらの不具合が残っており、それが今回のThunderbird の致命的な不安定さに関係しているのかもと推測した。
ならば現在インストールしている Thunderbird を一度アンインストールし、その後改めて最新版の Thunderbird をダウンロードして手動で再インストールすれば、全ての問題が解決するはず。
一応再インストールは最後の手段(別のメールソフトへの乗り換え)の一歩手前の手段として考えていたが、万が一再インストールでプロファイルやらが破損したり設定がおかしくなってしまった場合の復旧作業が嫌だったので避けては来たが、結局は再インストールせねばならない事態に。
Thunderbird には 32bit 版だけでなく、64bit 版があることを発見
面倒極まりないが、やらねばならぬ Thunderbird の再インストール。まずは再インストールのための Thunderbird 最新版の実行ファイルを確保しようと調べてみると、どうやらThunderbird には Ver.60 からは 32bit 版だけでなく 64bit 版もリリース版として用意されていることを発見。
Thunderbird はFirefox とは異なり何故か公式には 64bit 版は配布されておらず、公式サイトで普通にダウンロード出来るものも自動更新されるものも基本的には全て 32bit 版となっているが、下記のいずれかの方法で 64bit 版をダウンロードできる。
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ダウンロード URL を下記に手動で書き換えて、64bit 版をダウンロードする
Thunderbird 60.0 32bit
https://download.mozilla.org/?product=thunderbird-60.0-SSL&os=win&lang=ja上記 URL の「os=win」を「os=win64」に手動で書き換える。
Thunderbird 60.0 64bit
https://download.mozilla.org/?product=thunderbird-60.0-SSL&os=win64&lang=ja -
下記 FTP サイトから 64bit 版をダウンロードする
https://ftp.mozilla.org/pub/thunderbird/releases/60.0/win64/ja/※https://ftp.mozilla.org/pub/thunderbird/releases/ でバージョン選択が可能
余計なトラブルを避ける意図でもあるのか、何故か 64bit 版の存在を公にしない Mozilla。しかし上記の方法で 64bit 版のダウンロード及び手動インストールは可能なので、今回は単に 32bit 版の再インストールではなく 64bit 版、それもリリース版の Ver.60 ではなくベータ版の Ver.64.0b3 を選択した上での再インストールを試みる。
問題の切り分けとしては、
- 32bit 版最新版 Ver.60.3.2 を再インストールして、不具合発生の有無を確認
- 64bit 版リリース版の最新版 Ver.60.3.2 を再インストールして、不具合発生の有無を確認
- 64bit 版ベータ版の最新版 Ver.64.0b3 を再インストールして、不具合発生の有無を確認
- 上記を確認後、最も安定しているバージョンを選択する
上記順序が正解となる。が、好奇心には抗えなかった(笑)
安定を取り戻した Thunderbird と今後の課題について
一度Thunderbird をアンインストール後、改めて64bit 版を再インストールすることでようやく安定性を取り戻した Thunderbird。
もしかしたら 64bit 版ではなく 32bit 版であってもあるいは再インストールで安定性は戻ったかもしれないが、32bit / 64bit どちらにせよ、Photon デザイン採用の Ver.60 系統になったことで共通の問題というか課題が残ってくる。
それは Firefox Quantum の時と同様の問題である「アドオンの対応」である。
今回の Ver.60 系統へのアップデートで、基本的にこれまで使用していた Thunderbird のアドオンは ほぼ全て駆逐されてしまったと言っても過言ではない。
特に痛かったのが、Thunderbird をマウスジェスチャで操作可能にする「Mouse Gesture Redox」が完全に非対応になってしまったのは本当にキツかった。本気でマウス閲覧速度が半減以下になった……
これに関しての解決策は基本的に Ver.60 系統への正式対応を待つか、自分でアドオンを作成するか、あるいは諦めるしかぐらいしかない。一応裏技的な抜け道もあるようだが、どのみちマイナーアップデートごとに無効化されそうな一時しのぎ程度でしかないようだし。
Firefox も Thunderbird も Ver.60 系統にアップグレードしてデザインも一新、機能も性能もアップと謳ってはいるが、それは正直これまでの便利なアドオン類を排除してまでメリットがある程のものとも思えないのが現状だったりする。
今後の Firefox や Thunderbird の盛衰は、どれだけのアドオンが Ver.60 系統に対応してくるかに掛かってくるかと。個人的にはThunderbird 用のマウスジェスチャ系アドオンだけでも何とか登場して欲しいところだが……
……自分で作る?それは無理。
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